百舌鳥迺舎(もずのや)

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help リーダーに追加 RSS 「鑓の権三重帷子」(その3)

<<   作成日時 : 2009/01/13 06:21   >>

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上之巻
舞台は市之進宅、数寄屋の庭
縁先でおさゐが昼の出来事を思い出して涙にくれている。娘の婿にするつもりの権三に言い交わした娘があったことに嫉妬心をおさえられない。だが姑が婿の嫉妬などと悪名が立ってはと心を鎮めようとするが、やはり思い切れずについ涙ぐんでしまう。そこへ約束通り権三が供も連れずに訪ねて来る。おさゐは権三を数寄屋の中へ入らせて、伝授の巻物を見せる。ここへ伴之丞が供のものに空き樽を持たせてやってくる。伴之丞はおさゐの寝所に忍び込んで、口説き落としたあとに伝授の巻物を手に入れる魂胆で、その空き樽の底を抜いて、茨の垣根に突っ込み、そこから出入りできるようにする。伴之丞が数寄屋の庭に忍び込むと、数寄屋の障子には二人が顔を寄せ合う影が写り、伴之丞は先を越されたと思い、庭で様子をうかがう。権三は、「誰か庭に来たようだ」と気にするが、おさゐは昼でさえ人が来ないところなのに夜は誰もくるはずはないと言って、権三へ巻物の続きを読むようにうながす。しかし、蛙の鳴き声が止んだり、また鳴きはじめるのを聞くと、やはり誰かいると言って権三は刀を持って庭へ出ようとする。おさゐはこの庭は三方が高塀で北側は茨の垣根であるから、だれも入ってくることなど出来ない。そしておさゐは権三と自分がこうしていることを妬む女がいて、その女がここへ来ると思って落ち着かないのではないか?と権三に問いただす。権三は否定するが、嫉妬に狂ったおさゐは権三が身につけていた雪の手製の帯を引き解いて庭に投げ捨てる。帯を解いたままでもいられないと権三が庭に降りようとすると、おさゐはその帯の代わりに、この帯を締めたら良いと自分の帯も解いて権三へ渡すが、権三は怒り、この帯を庭へ放り出す。すると庭にひそんでいた伴之丞が二本の帯を拾い上げ、不義の証拠と叫んで庭から駆け出る。権三は刀を持って庭に出るが、すでに伴之丞はおらず、供のものを冥途の道連れと言って刺し殺す。すぐさま切腹しようとする権三をおさゐは、何も非のない権三が死ぬことは無いと止める。権三は二人の帯を証拠に取られては何も言い訳はできない。自分もおさゐも畜生の身になったと嘆く。おさゐは夫の立場を思い、どうせ死ななければならないのであるのなら、二人で不義ものになって、夫市之進に討たれて欲しいと権三に頼む。権三は不義ものにならずに討たれたならば、後には不義では無かったとわかり、死後に名誉を取り戻すこともあるだろうと拒むが、それでは市之進が間違って敵討ちをしたことになり、夫の恥になるとおさゐは権三を説得する。そして二人は不義ものとして逃亡することになり、おさゐは子供達の寝顔を見てからと言い出すが、おさゐの弟甚平が扉を叩いて呼ばわる声を聞き、急いで二人は伴之丞の作った抜け穴から外へ逃げ出る。

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